AIエージェントを活用する8つのメリットを紹介！

日々AIの技術が進化していますが、その中でも特に注目を集めているのが「AIエージェント」です。AIエージェントとは「特定のタスクを実行するために設計された人工知能システム」を指しています。この技術により、多くの業務が自動化できる可能性があり、さらには活用の幅もますます広がっていくと期待感が高まっています。

すでにカスタマーサポートでAIエージェントが活用されていたりと、実際のビジネスの現場でもこの技術が活用されてきていますが「AIエージェントってそもそも何のことなの？」「AIエージェントを活用することでどんなメリットがあるの？」と疑問に思っている方も多いと思います。

そこで本記事ではAIエージェントとはなにか、AIエージェントをビジネスの現場で活用することで、どんなメリットがあるのかをご紹介します。AIエージェントについて概要を知りたい方も、今後AIエージェントの活用を想定されている方も、ぜひ本記事をご覧ください。

AIエージェントとは

AIエージェントとは「与えられた目標やタスクを達成するために、自動で動くプログラム」を指しています。AI（人工知能）技術の発展により、近年注目されています。特に優れているポイントは「自ら学習しながらパフォーマンスを向上させることができる」という点です。ChatGPTなどのいわゆる生成AIでは、私たちユーザーが指示した内容に沿ってAIがコンテンツを生成することがメインでしたが、AIエージェントは自動でタスクを実行することが可能になります。

そもそもAIエージェントと生成AIにどんな違いがあるのか知りたい方は以下の記事で詳しくご紹介しているので、ぜひご覧ください。

参考記事：AIエージェントと生成AIの違いとは？8つの違いを解説

AIエージェントを活用する8つのメリット

ではそんな今までの生成AIとは違い、「与えられた目標やタスクを達成するために、自動で動くプログラム」のAIエージェントをビジネスの現場で活用するとどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは8つの観点でAIエージェントの活用のメリットをご紹介します。

1. 業務効率化が実現できる

「タスクを自動で遂行していく」という言葉から最もイメージしやすいのが業務効率化だと思いますが、AIエージェントは企業の日常業務で実施している単純作業や反復作業を自動化することができるので、企業の業務効率化を実現することができます。

例えば日常の会議の議事録を自動で作成するだけではなく、その会議の決定事項やネクストアクションを関係者に即共有したり、タスク管理ツールに自動で連携し、進捗を確認するといったことが可能になります。会議以外にも、顧客対応のチャットボットによる一次対応をAIエージェントが人の代わりに行ったりと、今まで一部の業務領域にしか適用できなかったAI技術が、今後はより幅広い業務領域で活用されることが期待されています

AIエージェントは情報収集・分析・整理といったプロセスが一括して自動化され、私たちが対応していた業務は最小限に抑えることができるようになります。今まで手間がかかっていた定型的な業務から開放されるため、AIエージェントは業務効率化の実現が可能になります。

2. コスト削減が実現できる

業務効率化が実現できる以上、今までそこにかけていた人件費やその他の運用コストも削減することが可能です。AIエージェントは特定のタスクを遂行してくれるため、単に作業を代わりに行ってくれるだけではなく、オペレーションコストの削減や、より生産的な活動をするため今まで分析にあてていた時間も削減することができます。

たとえば営業活動においては、AIエージェントを活用して顧客データを分析し、自動で見込み顧客を特定し、タイミングを見計らって担当者に通知をする仕組みを構築することができます。通知だけではなく、自動で顧客が求めているコンテンツをメールで送信する、日程調整を自動で行うこともできるため、今までかかっていた人的リソースを削減することが可能です。

3. 今まで対応が難しかったデータの分析ができるようになる

AIエージェントの得意とする分野のひとつに、膨大な非構造データを分析できるというものがあります。非構造データとはテキストや音声、画像、動画といったデータを決まった形で整理して活用できないデータのことを指しています。分かりやすく伝えると、エクセルやスプレッドシートで整理できないデータというイメージです。AIエージェントを活用することで今まで活用できなかった、この非構造データを分析することが可能になります。

たとえば今まで営業活動で見込み顧客を特定するときは、顧客の従業員規模や業界、担当者の職種など、定量的で一定まとまった情報をもとに分析することが多かったと思います。これをAIエージェントを活用することで、商談の音声を聞きながら「この発言をしている担当者は、過去の商談からこういう課題を持っているケースが多いため、こういう提案をすると良さそう」と自動で判断し、AIエージェントが提案をしてくれるようになります。

さきほどお伝えしたとおり、非構造データは音声だけではなくテキストや画像、動画も含まれていますので、動画プラットフォームやSNS上の動画コンテンツを分析しマーケティング活動に活かしたりすることも可能です。今後非構造データは企業にとって最も価値のある情報の一つになるとされており、それを扱えるようになるAIエージェントはビジネスの成長を加速させることができる可能性を秘めています。

4. 精度の高い意思決定ができるようになる

AIエージェントを活用すれば、非構造データを分析することが可能になるため、今まで以上に高い精度で意思決定することも可能になります。たとえば営業活動で今までの成約や失注事例を学習することで、より精度の高い見込み顧客の判定を行い、重要な客観的なデータをもとに今まで以上に優れた営業戦略を策定することができます。

今までのデータ分析ではどうしても構造的なデータのみを収集していましたが、非構造データを分析できるAIエージェントが登場することで、定性と定量の両方の側面からデータで意思決定を行うことができるようになります。

5. より戦略的な業務に集中できるようになる

AIエージェントは特定のタスクを自動で遂行してくれるため、今まで行っていた単純作業を削減することができ、その削減した時間をより戦略的な業務にあてることが可能になります。ここでいう戦略的な業務とは新製品の企画やブランド戦略の立案、新規市場への参入を検討するためのリサーチなど、企業の方向性を左右する重要なタスクを指しています。

たとえば顧客との商談後のメール対応などをAIエージェントで自動化することで、その時間を営業戦略の立案にあてたりすることができます。またAIエージェントを活用することで戦略的な業務に集中できるようになるだけではなく、従業員のモチベーション向上にも影響することも期待できます。

6. 24時間365日業務に対応することができる

AIエージェントとは私たちとは違い、常に稼働することができるため、土日祝含む365日24時間の対応が可能になります。たとえば問い合わせ対応や業務のサポートなど顧客や見込み顧客からいつ連絡がきてもすぐに反応することができ、サービス全体の利便性を向上させることができます。

こうした24時間の体制のサポートは、単に顧客側だけがメリットに感じるものだけではなく、従業員にもいい影響を与えることができると期待されています。深夜や早朝の対応をAIエージェントに任せることで、従業員は勤務時間内は重要な仕事のみに専念することができるようになります。

このようにAIエージェントを活用することで、24時間いつでも対応でき顧客からの信頼が向上するだけではなく、必要は業務を滞りなく進めることができるようになるため、ビジネス全体のスピードも上がっていくことが期待されています。

7. 顧客体験が向上する

さきほどのメリットで「24時間365日業務に対応することができる」とお伝えしましたが、結果的にAIエージェントを活用することで顧客体験が向上するというメリットも期待できます。単にレスポンススピードが早くなる、いつでも対応ができるだけではなく、AIエージェントは学習機能を備えているため過去の行動履歴を参照しながら、最適な提案をすることが可能になります。

他にも営業活動であれば、商談後の内容を正確に要点を残し、各自の確認や対応事項をメールで送信し共通認識をすぐに持つという状態も実現できるため、コミュニケーションミスや顧客対応におけるトラブルを最小限に抑えることもできます。

このようにAIエージェントを活用することで、顧客体験が向上し、結果的にブランド力も強化され、リピートや口コミの増加にも繋がることが期待できます。ビジネスの持続的な成長を目指すのであれば、AIエージェントによる顧客体験向上は欠かせない要素の一つになりつつあります。

8. 組織間のナレッジ共有や活用が上手くいく

最後にあげられるAIエージェント活用のメリットは、組織間のナレッジ共有や、その活用が円滑に進められるようになる点です。たとえば採用活動で候補者の履歴書や面談中の会話など様々な情報を一元で管理して、自社が求める人材かどうかを瞬時に判断することができるようになります。そこからその人材であれば過去どういう話をすれば、自社に興味を持ってもらえるようになるか、どういう部分に懸念を抱かれやすいかなどのナレッジをAIエージェントが共有するように仕組みを作ることも可能です。

このようにAIエージェントを活用することによって、情報が自動で整理・抽出され、必要なタイミングでその情報を活用する環境を整えることができるようになるため、ナレッジの共有と活用が今まで以上にスムーズに進めることができるようになります。

まとめ｜AIエージェントの活用は企業成長をサポートする

AIエージェントとは「与えられた目標やタスクを達成するために、自動で動くプログラム」を指しており、その注目度は日を追うごとに増しています。今までの生成AIはユーザーの指示に沿ってコンテンツを生成するのが主な役割でしたが、AIエージェントは自律的に判断し、常に最適な手順でタスクを遂行できる点に特徴があります。ビジネスの現場では、顧客対応をはじめとする繰り返し業務の自動化で、業務効率化やコスト削減を実現できるほか、今まで扱うのが難しかった非構造データの活用や対応時間の拡大が期待できるようになっています。

本記事でご紹介したAIエージェント活用のメリットはあくまでも網羅的にご紹介しています。実際は活用してすぐにこれらのメリットを得られるわけではなく、活用するまでに、AIエージェントを活用できる体制を作る、そもそも従業員が活用できるように社内に研修体制を整備するなど、様々なハードルが存在しますが、今後のAIエージェントの活用のヒントとして本記事を参考にしましょう。