AIエージェント

AIエージェントと生成AIの違いとは?8つの違いを解説

AIエージェントと生成AIの違いとは

近年、AIの技術が急速に発展してきており、今ではChatGPTなど個人でも生成AIのツールを活用するようになりました。その中でも今までの生成AIと異なり、より業務効率化やその活用方法について注目されているのが「AIエージェント」です。

2025年以降、日を追うごとに「AIエージェント」の注目が高まっていますが、実際に「AIエージェントとはどのようなものなのか」「今までの生成AIとは何が違うのか」「AIエージェントはどのように活用できるのか」と疑問に思っている方も多いと思います。

そこで本記事ではAIエージェントの概要と、今までの生成AIとの違いについてご紹介していきます。AIエージェントと生成AIの違いを詳しく知りたい方は、ぜひ本記事をご覧ください。

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AIエージェントとは

AIエージェントとは「特定のタスクを実行するために設計された人工知能システム」を指しています。人間が指示を出さなくても、環境を認識して、AIエージェント自らが適切な判断を行い、行動を起こす能力を持っているのがAIエージェントの特徴です。

たとえば顧客対応を自動で行い、顧客からの質問に回答したり、回答が難しいとAIエージェントが判断した場合は適切な部署に繋げたりすることが可能になります。

そもそも「エージェント」とは

そもそも「エージェント」とはどのような意味なのでしょうか。「エージェント」とは代理人や仲介者という言葉で、特定の目的を達成するために、代わりに行動したり交渉したりする人物や組織を指しています。身近な例であれば、私たちが転職活動をするときに活用する「転職エージェント」サービスにも「エージェント」という言葉が使用されています。転職という目的を達成するために、私たちの転職をサポートしたり、転職先へ希望年収を交渉したりと、私たちの代わりに動いてくれるようなイメージです。

ここでいう「代わりに行動したり交渉したりする人物や組織」が「AI」になったもの、つまり私たちの特定の目的を達成するために、代わりに行動したりとタスクを遂行するプログラムやシステムが「AIエージェント」であると考えればよりイメージができると思います。

生成AIとは

生成AIとは、AIが人間のように考えたり学習する能力を持って、様々なコンテンツを新たに生み出すことができる技術のことです。たとえば今までの翻訳ツールであれば、それぞれの単語をただ翻訳しただけで、少し不自然な文章として置き換えるケースが多かったですが、AIを活用すれば、学習することが可能なため、膨大な文章を学習し、文脈を理解したうえで、より自然な表現で翻訳することができるようになりました。

その他にもビジネスの現場では、今まで膨大な時間をかけて作成していた議事録をAIを活用することで、自動で要約したり要点を整理したりなど、その活用方法はどんどん拡大しています。

生成AIに明確な定義は存在しませんが、ビジネスでは大量のデータから効率的な方法を提案したり、幅広い分野での活用が想定されていて、今後さらに多くの分野で活用されることが期待されています。

AIエージェントと生成AIの8つの違い

AIエージェントと生成AIはともにAI(人工知能)技術を活用しています。ただそれらには具体的にどのような違いがあるのでしょうか。ここではAIエージェントと生成AIの違いを8つの観点でご紹介します。

1. 達成したい目的

AIエージェントと生成AIではそれぞれ達成したい目的に違いがあります。AIエージェントはある特定のタスクを実行するために設計された人工知能システムを指しており、その根底には「特定のゴールを達成するまたは達成のためのサポートをする」という明確な目的意識があります。

たとえば企業の業務フローを自動化するためのAIエージェントであれば、企業の会議というシーンであれば、会議後の議事録の作成、会議で話し合った決定事項やネクストアクションをタスク管理ツールと連携し、自動で管理するなど、一連のタスクをAIエージェントが能動的に遂行していきます。

一方で生成AIは自然言語処理や画像生成など、クリエイティブな能力を補完することに焦点があたっています。最大の強みは過去の学習データから様々なパターンを抽出して、新しいアイデアや文章表現を作り出せる点にあります。さきほどの例だと、会議の文字起こしした内容を生成AIが自動で要約したり、要点を箇条書きに整理するイメージとなり、タスクを能動的に遂行するのではなく、指定した目的を生成することが目的となっています。

このように、AIエージェントは「タスクを完遂すること」が大前提としての目的となるのに対して、生成AIは「人間の知的生産を広げ、より多様な表現を生み出す」ことを重要視するという根本的な違いがあります。

2. 具体的にできること

AIエージェントと生成AIでは達成したい目的が異なるため、具体的に対応できることについても違いがあります。たとえばAIエージェントでは営業活動の自動化、クライアントとの定型的なコミュニケーションを自動化することができます。

一方で生成AIがテキストや画像、ときには動画といったクリエイティブな領域の成果物を自動で作成することができるものの、タスクは遂行することはできません。たとえば営業資料を作成するのに、いままでは白紙の状態から必要な情報をまとめていく必要がありましたが、生成AIを活用すると重要なポイントを抜き出しながら、独自の提案書のたたき台を作成することができます。

またAIエージェントと生成AIで具体的にできることに違いはあるものの、それぞれが結びつくことでより包括的な業務支援ができると期待されています。たとえば会議の議事録を生成AIで作成し、プロジェクトの進捗を円滑に管理する流れをAIエージェントで構築していくことが可能です。それぞれのできることや強みを理解し、上手く組み合わせることで、ただの業務効率化にとどまらず、イノベーションの加速に期待が持たれています。

3. やりとりの仕方

AIエージェントは私たちユーザーが入力する指示を待つのではなく、あらかじめ設定されたルールに従って自律的に動き出すことができるのが特徴です。たとえば営業チーム向けにカスタマイズされたAIエージェントでは、日々更新される顧客データを取得して、購入が近いと判断した顧客に対して自動的にフォローアップのメールを送信することが可能です。このように都度ユーザーが指示を出さなくてもAIエージェントが最適なタイミングで手段を見極めてアクションを取るように設計することができます。

逆に、生成AIのやりとりではユーザーが指示を都度出す必要があります。ユーザーが指示した情報を理解し、可能な限り的確な回答や創造的な提案を返してくれます。たとえば、「次のセミナーの新しい企画案を考えて」と指示すると過去のセミナー事例やトレンド情報を踏まえてアイデアを出してくれます。そのセミナーを既存顧客に知らせるためのメールの作成や、ターゲット選定などは都度指示する必要があり、あくまでもタスクの遂行ではなく、指示した内容の回答をすることが生成AIの特徴となっています。

4. AIが動く範囲

AIエージェントは自律的に判断し、やり取りを通してタスクを遂行するために、あらかじめ設定されたルールに基づいて「次に何をすべきか」を自発的に考え、必要なタスクを実行することができます。一方で生成AIは「生成する」ことが目的であるため、自発的に考え動いていくことはありません。もちろん最近では外部アプリと連携することで、生成した文章を自動で送信したり、ワークフローを発火させたりする事例も出始めていますが、あくまでもこれらは拡張的な機能であり、生成AI自体が主体的に判断はしていません。

つまり、AIエージェントが主に「自律的な行動を行う枠組み」を持ち、タスク全体を俯瞰して必要なステップを遂行するのに対して、生成AIは「生成」という行為を強みに持ちながらも、行動計画や実行に関しては外部システムのサポートを受けることが一般的だといえます。企業の業務においては、単にテキストを生成するだけでなく、それを使って実際の行動へと移す仕組みが重要となるため、それぞれの違いを理解し、活用を検討していくことが重要です。

5. AIの学習方法

AIエージェントは、行動の結果をもとに学習を行う「強化学習」などを使い、ユーザーとのやり取りを通じて自分の動きを改善する仕組みを備えている場合が多いです。たとえば、営業活動にAIエージェントを活用した場合、顧客へのアプローチを繰り返す中で、どのようなタイミングや文面が最も反応率が高いかを自分で学習し、次のアクションに活かすことができます。

これに対して生成AIは大量のデータを活用して学習を進めることが基本となります。たとえば膨大な文章を読み込むことで、次に続く言葉や文章を予測する仕込みを身に着け、データから学んだパターンかをもとに最適な回答を生成しています。またChatGPTなどでも一度出力された回答に対して、フィードバックの指示を入力しながらより自然な求めている回答へ調整することもありますが、自ら学んでいくわけではありません。

このようにAIエージェントは環境の変化に適応し、長期的な学習を行うことが多いですが、生成AIはトレーニング済みのモデルを利用し、新しい知識をリアルタイムで学習することが難しいことが多いという違いがあります。

6. 応用できる範囲

AIエージェントはその自律性の高さから応用範囲がとても広いのが特徴です。営業活動の最適化や議事録作成の自動化とその後のアクションのサポートだけではなく、他にも顧客サポート対応や在庫管理の最適化などにも応用が可能です。

一方で生成AIは、テキストや画像、音声などコンテンツの生成に大きな強みを持っているため、マーケティング領域のキャッチコピーや広告文、画像の作成などクリエイティブな領域に強みを持っているのが特徴です。企業の業務プロセスにおいて、あらゆるたたき台を生成AIで作り出すことで今まで従業員が長い時間をかけていた業務時間を削減することは可能ですが、自ら判断してタスクをこなすことは基本的に得意分野ではありません。

以上のように、AIエージェントは自律的にタスクを進めることを得意とし、生成AIはあらゆる形態のデータを生み出すことを得意とします。応用範囲を考えるときは、どの部分により大きな付加価値があるのかを見極め、それぞれを効果的に組み合わせて活用することで、企業の業務効率化や新たなビジネスチャンスの創出が実現できるようになります。

7. 入力と出力の方法

AIエージェントと生成AIでは入力(インプット)と出力(アウトプット)の形式やそれに伴うプロセスに大きな違いがあります。AIエージェントは何度もお伝えしているとおり、「ある特定のタスクを遂行する」ために設計・開発されているケースが多いため、その目的に合わせて適切な入力が与えられるような設計がされています。

たとえば議事録作成に特化したAIエージェントであれば、会議音声やテキスト情報といった明確なデータを入力として受け取り、あらかじめプログラミングされたロジックや学習済みモデルに基づいて最適な議事録をまとめたり、その後のアクションをサポートします。

一方で生成AIはより幅広い「言語」や「画像」などのデータを入力として、それらをもとに新たなコンテンツを生み出しています。もちろんAIエージェントの中にも生成機能を持つものは存在しますが、生成AIは特に、汎用的に大量のデータから学習し、指示に応じて文章や画像、音声といったコンテンツを新たに生成しています。

また出力のゴールも異なっています。AIエージェントの場合は、企業の業務フローを想定したうえで、ある程度明確な成果物の定義があります。対して生成AIは、ユーザーからの指示がある程度抽象的であったとしても多様なアウトプットを返すことが可能です。

このように、AIエージェントはタスク遂行を最適化し、その分野の専門家としての立ち位置を確立しやすいのに対し、生成AIは自由度が高く、創造的な結果をもたらします。それぞれを上手く使い分けることで、企業は議事録作成や営業活動などの定型的な業務からクリエイティブなアイデア創出まで、幅広いニーズに対応した効率化やイノベーションを実現できる可能性があるのです。

8. 基盤となる技術

AIエージェントと生成AIの違いを知るうえで、見逃せないのが、それぞれを支えている技術の側面です。AIエージェントは行動の結果をもとに学習を行う「強化学習」や複数の機械学習モデルを組み合わせてタスクをこなす構成が多く見られます。対して生成AIはLLM(大規模言語モデル)や大規模画像モデルのように、主に深層学習技術が中心となっています。これらのモデルはインターネット上に公開されている大量のテキストや画像データを収集しており、高度なパターン認識能力と生成能力を発揮しています。

AIエージェントはタスク達成のための行動や業務システムとの統合に強みがあり、生成AIは柔軟かつ高度なコンテンツ生成能力を持つという点で、それぞれ基盤となる技術領域が異なります。企業が議事録作成や営業メールの送信を自動化したいのであればAIエージェントの活用が手段として最適ですが、商品コンセプトのアイデア出しを効率化したいのであれば生成AIを活用するのが有効的な手段となります。最終的にはそれぞれを組み合わせ、AIエージェントにより定型タスクを自動化すると同時に、生成AIを活用して創造的な戦略提案やマーケティング資料を生成することで、企業全体の業務効率とイノベーションの加速を両立することが今後可能になると期待ができます。

まとめ

近年、AIの技術が急速に発展してきており、今では私たちの生活の中でもChatGPTのような生成AIを活用するといった形で少しずつAIの活用が一般化してきました。そんな中、新たに「AIエージェント」という言葉が注目されるようになってきていますが、今までの生成AIとはどのように違うのか?と情報収集している人も多いと思います。

AIエージェントと生成AIは名前のとおり、AIの技術を活用したものではありますが、それぞれ目的や技術、やりとりの仕方など異なっている部分もあるため、それを本記事では8つの違いとしてご紹介しました。

今後、益々AI技術は注目されていくと思います。注目するだけではなく自分たちのビジネスに活かせるようにしっかりとAIエージェントと生成AIの違いを理解して、今後活用していけるようにしましょう。

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この記事を書いた人
スマート書記ブログチーム

エピックベース株式会社が運営する「スマート書記」のブログ編集部です。議事録や文字起こし、生成AIやAIエージェントに関するノウハウなど、企業が業務効率化を実現し、さらにはDXを推進するための情報をお届けします。

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