DXに失敗してしまう6つの理由を解説!成功させるための進め方も紹介
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DX(デジタルトランスフォーメーション)の重要性が増し、取り組んでいる企業も多いですが、その取り組みの難易度は高く、デジタルツールの導入だけで終わってしまった、デジタル人材が不足しているなど、失敗に終わってしまっているケースも少なくはありません。
「DXを進めているけど想定よりうまくいかない」「DXを進めるうえでどんなポイントに気をつければいいか知りたい」と考えている方も多いと思います。そこで本記事では企業がDXに取り組んだときに失敗する理由と、成功させるためにどのように進めればいいかについてご紹介します。これからDXに取り組む方や、いままさにDXに取り組んでいるけど、上手くいっている実感がない方は、ぜひ参考に本記事をご覧ください。
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DX(デジタルトランスフォーメーション)とは
そもそもDXとはどんな取り組みを指すのでしょうか。DXとは簡単にいうと「デジタル技術やツールを活用して、変革して競争上の優位性を確立する」取り組みです。デジタル技術やツールの「活用」であって「導入」ではないのが重要なポイントです。
経済産業省が企業のDXに関する取り組みを促すために策定した「デジタルガバナンス・コード」では以下のようにDXが定義されています。
DXの定義は次のとおりとする。「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」
出典:経済産業省『デジタルガバナンス・コード3.0』p.2
DXの定義についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事で詳しく解説していますので、気になる方はぜひご覧ください。
企業がDXに失敗する6つの理由
DXはすべての企業が共通の取り組みを行っているわけではなく、企業に合わせて自分たちのDX推進の方法を見つけていくことが重要になります。ですが、DXが結局失敗に終わってしまったというケースも少なくありません。失敗する理由もDX推進の方法と同様に、それぞれの企業で詳細は異なりますが、ここではよくある失敗する理由を6つご紹介します。
1. 経営陣がDXにコミットできていない
DXは企業を変革する取り組みのため、一部署で完結できるものではなく、経営陣の強力なリーダーシップとコミットメントが必要不可欠です。ただし、多くの企業では経営陣がDXを単なるIT部門のプロジェクトとして捉えてしまい、全社的な戦略として認識していないことが、よくある失敗の要因となっています。
そもそもDXとIT化の違いについては以下の記事で詳しくご紹介しているので、気になる方はぜひご覧ください。
現場まかせになってしまうことで、問題が起きたとき、特に新しいデジタルツールの導入をするときに、それを活用する抵抗感が強いままであったり、その活動の重要性を理解していないと現場が抵抗感を持ったまま取り組むことになってしまい、混乱が生じてしまいます。
これを防ぐためにも、経営陣が率先してDXの目的やゴールを示し、組織全体にDXの重要性を浸透させることが重要です。これらを実践して、初めて全社的な協力体制が築けます。経営陣がDXにコミットをしないと部門ごとにバラバラな取り組みになってしまい、部門ごとに最適化する形となり、全体最適が達成されずに失敗に終わってしまいます。
2. データ活用の基盤が整っていない
DXは「デジタル技術やツールを活用して、変革して競争上の優位性を確立する」取り組みのため、デジタル技術やデジタルツールの活用が前提となっています。この前提となるデータ基盤が不十分なままDXに取り組んでしまい、失敗に終わってしまう企業も少なくありません。
データ活用の基盤が整っていないと、データが各部門やシステムごとに分散されてしまい、情報の統合や分析が難しくなってしまい、迅速な意思決定ができなくなってしまいます。たとえばマーケティング部や営業部で顧客データが統一されていない場合であれば、顧客ニーズのデータが上手く蓄積されず、それぞれの活動が非効率となってしまいます。またデータの正確性や一貫性が保証されていない場合だと、分析結果に基づいて意思決定が誤った方向に導かれるリスクもあります。
この状況を解決するためにも、まずはデータの収集・管理・活用に関するルールを明確化することが重要です。次にデータの一元管理を目指し、クラウドベースのプラットフォームを導入することで、部門間のデータ連携を強化していきます。データを活用する基盤が整っている企業はほとんど存在していないため、DXに取り組む際はデータ基盤を整えるプロセスも組み込むようにしましょう。
3. 既存システムの保守に資金が当てられ、DXへの投資が上手くできない
多くの企業が既存のレガシーシステムに依存しており、その維持のために多大な管理コストとリソースを費やしています。レガシーシステムとは企業が昔から使用している旧型のシステムのことです。長い間活用されていることから、新しい業務要件が出るために機能追加やコードの改修が行われているため、機能の肥大化、複雑化、ブラックボックス化を起こしてしまっているケースも少なくありません。
このレガシーシステムでは過去の古い技術で構築されていることも多く、柔軟性が低いため、新しい技術やプロセスと統合するのが難しい状況となっています。とはいえ既存業務で活用されているため、ないがしろにするわけにもいかず、継続的にコストやリソースを費やしています。
その結果DXへの投資が難しくなり、また新しい技術を導入するときにも、既存システムとの連携に多大な時間がかかるため、DXが進まずに失敗してしまうケースがあります。この問題を解決するためにも、レガシーシステムの現状をしっかりと評価し、どの部分がボトルネックになっているかを明確化する必要があります。いきなりすべてを変えようとするのではなく、段階的に優先順位をつけて徐々に新しい技術へ移行を進めるのが効果的です。
4. DX人材が社内にいない
DXの推進には、最新のデジタル技術やデータ分析の知見、プロジェクトマネジメントに精通した人材など専門的な人材が必要不可欠です。ただ、多くの企業ではこのDX人材が不足していて、外部の専門家に依存してしまっています。この依存は一時的には効果的でも、長期的には社内でDXに関する知見が蓄積されず、持続可能なDX推進が難しくなってしまいます。
これを解決するためにも、社内の人材育成プログラムを強化して、DXに関する知識とスキルを既存従業員に提供することが重要です。また新しくDX人材を獲得することも重要で、採用活動を強化し、多様な知識を持った人材を組織に取り込むことで、社内の知見を広げることもできます。
DX人材とは具体的にどのような人材を指すのか知りたい方は、以下の記事で詳しくご紹介しているので、ぜひ参考にご覧ください。
5. DXを段階的に進めることができていない
DXは会社の変革を行っていくため、一度にすべてを変えようとすると、リソースの分散や計画の複雑化、従業員からの反発など失敗するリスクが高まってしまいます。また全社的な取り組みを一気に進めようとすると、部門ごとの異なるニーズや課題に対応しきれず、現場が混乱してしまう可能性もあります。
これを防ぐためにも、段階的なアプローチを取っていくことが重要です。特にDX推進の初期段階では、従業員に重要性や効果を理解してもらうためにも、小規模で取り組み成功体験を共有、積み重ねていくことが必要不可欠です。
またDX推進は新しいデジタル技術を活用することも多いため、想定どおりに進まないケースも少なくはありません。これらに対応するためにも、小規模で進めていき、現場から得たフィードバックをもとに、改善をしながら進めていくことで、リスクを最小限に押さえながら、効果的にDXを進めていくことが可能になります。
6. デジタルツールの導入がゴールになっている
DXは「デジタル技術やツールを活用して、変革して競争上の優位性を確立する」取り組みのため、デジタル技術やデジタルツールの活用が前提となっていますが、デジタルツールの導入はあくまでも手段に過ぎません。ただし多くの企業では、ツール導入自体がゴールと錯覚してしまい、十分な効果が得られないままDXが終わってしまうというケースがあります。
デジタルツールを導入しても、業務プロセスの見直しや従業員が活用できるようにスキルアップを伴わければ、意味がありません。またツール導入後の運営体制の設定も曖昧なまま進めてしまうと、ツールの効果を適切に評価・改善することができず、最終的には活用されないまま形骸化してしまいます。
これを防ぐためにも、デジタルツールを導入する前に、明確な目的を設定するようにしましょう。また導入後の初期段階では定期的にフィードバックを得られる体制を構築したり、活用できるように勉強会を開催するなどが効果的です。
DXを成功させるための7つのステップ
ではDX推進が失敗に終わらないようにするためにどのように進めるのがいいのでしょうか。失敗する理由でもご紹介したとおり、DXは単なるデジタルツールの導入すればいいだけというわけではありません。DX推進には経営陣のコミットやそもそも企業がどのように変革をしていくのかというビジョンや戦略が重要になります。
DX推進は以下のようなステップで進めるのが理想です。
- 経営ビジョンの策定
- DX戦略の策定
- 現状の把握し課題を洗い出し特定する
- ロードマップの策定
- 実現に向けた社内体制の構築
- DXの実行
- DXの実行を評価し改善を繰り返す
より具体的にDXを進めるためのステップを知りたい方は以下の記事でご紹介しているので、ぜひ参考にご覧ください。
まとめ
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは「デジタル技術やツールを活用して、変革して競争上の優位性を確立する」取り組みです。日本でも多くの企業がDXの重要性を理解し、DX推進を行っていますが、実際には多くの企業がデジタルツールの導入だけで終わってしまった、デジタル人材が不足しているなど、失敗に終わってしまっているケースも少なくはありません。
失敗に終わってしまった理由は企業によって様々ですが、「経営陣がDXにコミットしていない」「データ活用の基盤が整っていない」「DXを段階的に進めることができていない」といくつか共通するポイントも存在します。DXを成功させるためには、企業全体での取り組み、協力が必要不可欠です。本記事で紹介した「DXに失敗する理由」と「成功させるための進め方」を参考に、DXを進めていきましょう。
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