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予算会議では何を決める?進め方や3つの注意点をご紹介

予算会議とは

企業の成長と安定した経営のために、企業の成長と安定した経営のために欠かせない重要な要素です。企業活動において、売上目標や経費の見通しを立てることはもちろん、それらをもとにした予算配分の決定や資金管理を行うことが、持続可能な経営を支える基盤となります。

その中で「予算会議」は、組織全体でこれらの重要なポイントを話し合い、方向性を定めるための場として、多くの企業で行われています。しかし、初めて予算会議を開催しようと考えている方や、これまでの予算会議が上手くいかなかったと感じる方にとっては、「何を決めるべきなのか」「どのように進めれば良いのか」「何に気を付ければよいのか」といったお悩みを抱える方も多くいると思います。たとえば、感情的な議論に終始し、決定事項が不明確になってしまったり、数字の裏付けが不十分で説得力に欠ける結論に至ってしまうことも少なくありません。

本記事では、そんな悩みや課題を解消するために、予算会議の基本から進め方、注意点までを分かりやすくご紹介します。これから予算会議を初めて開催しようと考えている経営者や部門責任者、会議をより効率的に進めたいと考えている方は、ぜひ本記事を参考にご覧ください。

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予算会議とは

予算会議とは、企業の各部門や全体の財務計画を決定する重要な場です。単なる数字の確認や金額の決定ではなく、会社の経営方針や戦略、さらには現場の課題を反映し、組織全体の方向性を形にしていくことが重要です。

そもそも予算とは、企業活動における「お金の使い道」を決める計画書となっており、予算会議はその計画を立てるための話し合いの場です。それぞれの部門から提出される売上計画や支出計画をもとに、会社全体としての収支を整え、適切な予算配分を行います。このとき重要なのは、数字だけを見て決めるのではなく、「なぜその数字になるのか」「どんな背景や課題があるのか」といった理由や根拠を把握することです。これにより、単なる金額にとどまらず、部門間のバランスを取りつつ、将来的な成長に向けた資源配分を実現することが可能になります。

また、予算会議はただ「予算を決める会議」だけではなく、全体の経営戦略を共有する場でもあります。各部門がどのような事業を行い、どのような成果を目指しているのかを他部門と共有することで、全社の相互理解を深めることが可能です。これにより、予算の配分が「部門ごとの取り合い」ではなく、全社最適の視点で議論されるようになります。

予算会議で決めるべき4つの重要事項

では具体的に予算会議ではどのようなことを最終的に決定すればいいか、悩んでいる方もいると思います。ここでは予算会議で決めるべき重要事項を4つに分けてご紹介します。

1. 売上計画

予算会議では、まず各部門ごとの売上計画を立て、それを集計して全体の売上計画を決定することが必要です。これは「どれだけ稼ぐのか」を明確にするプロセスであり、予算会議の中でも特に重要なポイントです。このときのポイントは、部門ごとの売上目標の根拠を具体的にしていくことです。過去の実績データ、業界トレンド、競合動向、新製品やサービスの投入計画などを踏まえて、現実的かつ挑戦的な目標を設定するようにしましょう。

さらに、ここでは部門ごとに「達成可能な数字」を出し合うだけでなく、各部門間での相互依存関係や市場環境の変化を加味して、全体としてのバランスを取る視点も重要になります。また、このときに「売上の質」も含めて議論するようにしましょう。たとえば、単価の高い案件をどれだけ増やせるか、リピート率をどの程度高められるか、といった質的な要素は、売上の安定性や利益率に大きな影響を及ぼします。

2. 支出計画

予算会議におけるもう一つの重要な決定事項は、各部門ごとの支出計画を集約し、全社の支出計画を策定することです。売上計画と同様、支出計画についても部門ごとの積み上げが基本となります。このとき、売上計画同様に、ただ金額を提示するのではなく、支出の内訳や必要性についても具体的な説明もセットで考えることが重要です。

たとえば、人件費の増加理由、設備投資の意義、マーケティング費用の見込効果など、数字の裏付けを明確にすることで、支出計画の妥当性を検討することができます。また、このときに「削減や効率化の余地」をあらかじめ組み込むことがポイントです。支出を「コスト」と考えがちですが、実際は「どこを削るか」「どこを投資するか」の見極めになります。

また、部門間で重複する支出や相乗効果を見込める取り組みがないかも確認するようにしましょう。たとえば、複数の部門で同じツールやサービスを契約している場合、それらを統合することでコスト削減が可能です。こうした部門横断的な視点を持ち、支出計画を全体最適の方向に導くことが重要です。

3. 予算配分の優先順位

予算会議においては、ただ予算を割り振るだけではなく、その配分の優先順位を明確に決めることが非常に重要です。企業活動には限られたリソースが伴うため、どの部門やプロジェクトに重点的に投資するかをあらかじめ決めておかないと、後々の計画に支障をきたすことがあります。

たとえば、営業部門の新規顧客獲得施策を重要視する場合、マーケティングや製品開発にどれだけの予算を配分できるかを検討する必要があります。また、ここで考慮すべきポイントとして、ROI(投資対効果)を事前にシミュレーションしておくことです。利益率や将来的な成長性を数値で可視化することで、感覚的な優先順位ではなく、根拠ある判断が可能となります。

さらに、業界動向や競合の動きを踏まえた戦略的な視点も必要です。たとえば、競合他社が新技術に投資を強めている場合、自社でも同様の取り組みに注力すべきかどうかを議論の中で明らかにしておくことが重要です。

4. 予算の管理方法

予算会議の最終段階として重要なのが、決めた予算が適切に管理され、状況が常に把握できる仕組みを決めることです。予算を配分しただけで管理方法を決めないと、進捗の遅れや使途の不明瞭さが後々の問題になります。具体的には、会計システムや予算管理ツールを活用し、各部門の予算消化状況をリアルタイムで確認できる体制を構築することが必要です。

さらに、定期的な予算進捗レビューをスケジュールに組み込み、問題を早いタイミングで発見できるようにするのもポイントです。このときのレビューの場は「単なる報告会」ではなく、実際に課題の解決策を議論する場として設けると効果的です。

予算会議の進め方5ステップ

では次に予算会議の具体的な進め方を5つのステップに分けてご紹介します。

1. 目的の確認と事前準備

予算会議を成功させるためには、まず「なぜその会議を行うのか」を明確にすることが重要です。目的が不明確だと、参加者が話し合う方向性を見失い、ただの情報共有や雑談に終わってしまう恐れがあります。予算会議は、ただ数字を確認する場ではなく、会社全体の戦略と成長計画を具体的に形にする場です。そのため、事前に「この会議で何を決定すべきなのか」を整理しておきましょう。具体的には、さきほどご紹介した4つの重要事項をご確認ください。

さらに、根拠となるデータや資料を準備することが必須です。予算はあくまで計画に基づく数字であり、その根拠がしっかりしていなければ議論が空中戦になり、参加者全員が納得できる結論に至りません。売上実績、コスト構造、競合分析、業界動向、そして過去の予算執行状況など、あらゆるデータを事前に整理し、関係者全員が共通認識を持てる状態にしておきます。また、予算案を一目で理解できるよう、図表やグラフを用いた資料を用意すると効果的です。

2. 予算会議の開始

目的の確認と事前準備が完了したら、早速開催日を確定させ、予算会議を開始しましょう。会議当日は、まずは挨拶とともに、会議の目的と進行の流れを全員に共有することから始めます。これは単なる形式ではなく、参加者に「この会議で何を決めるのか」「どんな手順で進めるのか」を理解させ、集中力を高めるために必要なステップです。

会議の冒頭で、参加者がリラックスして議論に臨める雰囲気を作る工夫もポイントです。たとえば、形式張らずに「本日は重要な意思決定を行う場ですので、遠慮なく意見を出してください」のような声掛けをすることで、発言のハードルを下げられます。また、会議冒頭に「ここまでの経緯や背景」を簡単におさらいすると、会議に初めて参加する人や他部門の参加者もスムーズに議論に入れます。

また、会議開始時に「この場で決めること」と「最終的なアウトプット」を明確に伝えるようにしましょう。たとえば「本日の会議では、各部門の予算案を確認し、全体の調整を行い、来期の予算方針を決定します」と具体的に伝えることで、全員のゴール意識を揃えられます。これにより、会議が単なる報告会ではなく、意思決定の場として機能させることができます。

3. 部門ごとの予算案説明と全体収支の確認

予算会議の最も肝となるのが、各部門からの予算案の説明と全体収支の確認です。ここでは、各部門長や担当者が、事前に準備したデータや根拠をもとに、翌年度の売上計画、必要経費、投資計画をプレゼンします。このとき、説明の時間を平等に割り当てるようにしましょう。また、他部門との比較や関連性にも注意を払い、全体最適を意識した進行を心掛けるようにしましょう。

ここで重要なのは、単に部門ごとの計画を羅列するのではなく、「全体収支への影響」を明確にすることです。たとえば、ある部門でのコスト削減が他部門に負担を強いる場合や、特定の部門での投資が全社的な収益拡大につながる場合など、相互関係を踏まえた議論が求められます。部門間のバランスを見極めながら「どのような全体収支になるのか」を都度考えながら、必要に応じて追加の説明を求めるようにしましょう。

4. 質疑応答と調整・議論

部門ごとの予算案説明と全体収支の確認した後は、いよいよ参加者全員の意見を交わす「質疑応答と調整・議論」の段階に入ります。ここでは、各部門から提出された予算案に対して、他部門や経営層から疑問を伝えるようにしましょう。たとえば「この支出項目の根拠は何か?」「予想より売上が伸びなかった場合のリスク対応はどうするのか?」など、具体的な質問を通じて、予算の実現可能性や全体バランスを確認していきます。

ここで重要なのは「全体最適」を強く意識することです。予算会議は単なる数字の積み上げではなく、会社全体の成長戦略と整合性が取れているかを確認する場です。また予算会議では「声の大きい人の意見が通りやすい」という現象に振り回されないようにしましょう。これを防ぐために、進行役の人が、全員が意見を述べやすい雰囲気作りを心掛けましょう。具体的には、あえて発言を控えているメンバーに意見を求める、匿名の意見ボックスを用意するなど、工夫が必要です。

また、リアル会議の場合は、ホワイトボードやプロジェクターで議論の内容をその場で可視化することで、参加者全員が現在の議論の状況を把握しやすくなります。こうした工夫を取り入れることで、参加者全員の意見を公平に取り入れ、予算の全体最適化を進めることができます。

5. 決定と次のアクションの確認

最終段階では、会議中に議論された内容を整理し、最終決定を下します。進行役の人は会議中に出た各部門からの意見や調整案をまとめ、どの予算案を採用するのか、また、どの部分を再調整する必要があるのかを明確にします。このとき、ただ「決定事項」を列挙するだけでなく、その背景にある理由や、経営上の意図もセットで説明することが大切です。これにより、決定事項への理解度と納得感が高まります。

さらに、会議後に「次のアクション」を明確に示すことは、会議の生産性向上にも繋がります。会議で決まった内容を関係者全員に共有し、必要に応じて議事録を配布することも重要です。議事録は「誰が何をするか」を明記したアクションプランとしてまとめることで、関係者の理解を促し、言った・言わない問題を防ぐ効果もあります。

予算会議を実施するときに注意したい3つのポイント

予算会議を初めて実施する場合、注意すべきポイントがいくつか存在します。ここでは、その中でも特に重要な3つのポイントについて詳しくご紹介します。これらを理解しておけば、会議がスムーズに進行するだけでなく、参加者全員が納得できる結果を導き出すことができます。

1. 根拠とデータを必ず用意する

予算会議においては、感覚や推測だけで予算を決めることは質の高い意思決定ではありません。必ず過去の実績データや最新の市場動向、見通しなど、客観的な根拠となる情報を用意しておきましょう。

たとえば、売上やコストの実績、業界平均値、経済動向などの資料を揃えることで、議論が理論的で説得力を持ちます。こうした準備が不足していると、会議中に「その数字の根拠は何か?」と突っ込まれる場面が増え、時間を無駄にしてしまう原因になります。

特に進行役を務める人が「どんなデータがあれば議論が円滑に進むか」を事前に洗い出し、可能な限り詳細な資料を準備しておきましょう。さらに、データの最新性や整合性を確保する工夫も重要です。古いデータや不一致の情報を提示してしまうと信頼性を損ない、会議自体の進行が停滞する恐れがあるため、最新の正確な情報を揃えることが肝心です。

2. 全体最適を意識する

予算会議は、各部門の都合だけを優先する場ではありません。全社としての利益最大化、成長戦略、そしてリスク回避を考慮した「全体最適」を意識することが重要です。全体最適を実現するためには、各部門の要望の背景を把握し、どの程度の調整が可能かを見極める力が求められます。

たとえば、A部門の要望に対してはB部門の調整案を提案し、全体の調和を取る工夫が必要です。また、事業リスクや外部環境の変化を考慮した「シナリオ思考」を取り入れて全体最適を意識するとより良い予算会議を実現することが可能です。たとえば「市場が急変した場合」「主要取引先との関係が変わった場合」など、複数のシナリオを前提に議論することで、より現実的で柔軟性のある予算案を立てることが可能になります。

3. 議事録にまとめる

予算会議では、多くの意見や数字が飛び交い、結果的に「誰がどの提案をしたのか」「どの内容で合意したのか」が不明確になりやすいものです。これを防ぐために、会議の進行中から要点をメモし、最終的に議事録としてまとめることが重要です。

議事録には、誰がどの提案を行い、どのような議論があり、最終的にどの内容が合意されたのかを明確に記載します。議事録を作成しておけば、後で「言った・言わない」の問題が起きるリスクを大幅に減らせます。特に予算会議は他の会議と比較しても数字に関する情報が多く飛び交うため、「言った・言わない」の問題が起きるケースがあります。

また、議事録を共有するタイミングも重要です。会議終了後、すぐに参加者全員に配布することで、記憶が新しいうちに確認・訂正が可能になり、後からのトラブルを未然に防げます。とはいえ予算会議の情報を議事録にまとめるのは大変な作業です。またできるだけ早いタイミングで共有するのも難しいケースがあります。このような場合は会議の内容を自動でAIがまとめてくれるAI議事録ツールの導入も検討してみましょう。以下の記事で詳しくご紹介しているので、ぜひ参考にご覧ください。

参考記事:【2025】AI議事録ツールおすすめ14選!事例や機能についても解説

まとめ

企業の成長と安定した経営を支えるために、「予算管理」は不可欠な要素です。予算会議は、ただ数字を決める場ではなく、企業全体の経営方針や戦略を具体化する重要な会議です。

しかし、初めて予算会議を行う場合、どのように進めればよいのか、どんな点に注意すべきかに悩む方も多いと思います。本記事では、予算会議で決めるべき重要事項として「売上計画」「支出計画」「予算配分の優先順位」「予算管理方法」を詳しくご紹介しました。

また、会議の進め方を「目的確認と事前準備」「開始」「部門別説明と全体収支確認」「質疑応答と議論」「決定とネクストステップの確認」の5ステップで整理し、実践的な進行方法をお伝えしています。特に、根拠あるデータの準備、全社最適の視点、議事録の作成と共有を徹底することで、会議がスムーズかつ効果的に進みます。予算会議は企業の将来を左右する重要な意思決定の場です。本記事を参考に、効率的かつ納得感のある会議運営を実現し、持続可能な経営基盤を築いていけるようにしましょう。

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この記事を書いた人
スマート書記ブログチーム

エピックベース株式会社が運営する「スマート書記」のブログ編集部です。議事録や文字起こし、生成AIやAIエージェントに関するノウハウなど、企業が業務効率化を実現し、さらにはDXを推進するための情報をお届けします。

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