対面会議とWeb会議のメリット・デメリットを紹介

近年、リモートワークやハイブリット勤務の普及により、会議のスタイルは大きく変化しつつあります。今までは会議室など同じ場所に集まって対面で行うのが当たり前だった対面会議も、現在はWeb会議が当たり前の手段として広く浸透しています。Web会議は物理的な移動を伴わず、遠隔地のメンバーとも簡単に繋がることでき、コストや時間の面で大きなメリットがあります。しかし、すべてのWeb会議で実施すれば良いというわけでなく、それぞれのメリットとデメリットを理解し、使い分けることが求められます。
本記事では改めて対面会議とWeb会議の使い分けができるように改めてそれぞれのメリット・デメリットについてご紹介します。「対面とWeb会議どちらにすべきか」と悩んでいる方は、ぜひ本記事を参考にご覧ください。
- ミーティング中は話に集中したいため、メモが取れない
- ミーティング後に話をした内容をまとめるのに時間がかかっている
- ミーティングの発言の温度感やニュアンスを共有したい
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対面会議の3つのメリット
では早速対面会議の3つのメリットについてご紹介します。
1. 意思疎通がしやすい
対面会議の最大のメリットの一つが「意思疎通」のしやすさです。私たちが普段、相手と意思疎通をするときは言葉だけでなく、表情、声のトーン、仕草といった非言語的な情報も含めて相手の意図を読み取ろうとしています。対面会議であれば、これらの情報が自然と視界に入り、微妙なニュアンスや感情の機微も捉えることが可能になります。
特に、複雑な説明や誤解が生じやすい話題の場合、Web会議では画面越しのやり取りに限られるため、非言語的な情報を感じることが難しくなりますが、対面会議であれば、その場の空気感を見ながら柔軟に説明の仕方を変えたり、図を描きながら直感的に伝えることもできるため、誤解のリスクを最小限に抑えることができます。
またWeb会議よりも対面会議のほうが、複数人が同時に話しても誰が発言しているかが分かりやすく、発言のタイミングを見極めやすい点も対面会議の強みです。Web会議では、音声の遅延やマイクの切り替えにより、発言がかぶったり沈黙が生まれやすくなるため、円滑な会話が妨げられることも少なくありません。
2. 発言や議論がしやすい
対面会議の場合は、参加者の反応を直接感じ取ることができるため、発言のハードルが下がりやすいというメリットがあります。実際、Web会議では「発言のタイミングが掴みにくい」「カメラ越しでは話しにくい」と感じる参加者も少なくありません。一方、対面では、頷きや相槌などのフィードバックを視覚的に受け取りやすく、安心して発言できる雰囲気を自然と作ることが可能です。
また、対面会議はその場でホワイトボードを使ったり、図解を交えながらの説明ができるため、議論を視覚的に整理しやすく、参加者の理解度を高めることもできます。これにより、活発な意見交換が促進され、議論が深まりやすくなります。さらに、あまり発言をしないメンバーにも目を配りやすいため、ファシリテーターが声をかけて全員の意見を引き出しやすく、結果的に発言や議論がしやすいというメリットがあります。
3. 信頼関係の構築がしやすい
ビジネスにおいて、信頼関係の構築はとても重要です。特に新しい取引先との初回の打ち合わせや、メンバー同士がまだ関係性を築けていないプロジェクトチームの立ち上げ時など、相互理解や信頼が前提となるシーンでは、対面の価値は非常に高くなります。
対面で会うことで、相手の雰囲気や価値観、人となりをより深く知ることができ、短時間でも関係性を一気に深めることが可能です。Web会議では、どうしても情報量が制限されるため、相手への理解が浅くなりがちで、結果としてビジネスの進行に影響が出てしまう可能性もあります。
また、対面会議を実施した後のちょっとした雑談や休憩中の何気ない会話が生まれやすいのも、対面会議ならではの魅力です。こうした非公式なコミュニケーションは、相手との距離感を縮め、信頼の土台を築くうえで大きな役割を果たします。
加えて、緊張感のある場面でも、直接顔を合わせることで誠意が伝わりやすくなり、誤解や不信感を和らげる効果も期待できます。つまり、対面の場は単に情報のやり取りをするだけでなく、関係性を深める「場づくり」にも効果的です。
対面会議の3つのデメリット
先ほどは対面会議のメリットについてご紹介しましたが、次はデメリットについて3つご紹介します。
1. 場所や時間に制約がある
対面会議を実施する最大のデメリットの一つは、「場所」や「時間」といった物理的な制約がある点です。参加者全員が同じ場所に集まる必要があるため、オフィス内であっても会議室の空き状況に左右されますし、他拠点にいる社員が参加する場合には移動時間や交通費といったコストも発生してしまいます。また、スケジュール調整も難しく、特に多忙なメンバーが多い場合には全員の都合を合わせるだけでも大きな負担となります。
さらに、出張が必要となるケースではこのデメリットの影響を大きく受けてしまいます。遠方にいるメンバー全員で対面会議を実施するとなると、数週間前からの調整が必要になったり、宿泊費や移動費などがかさんだりと、会議のための準備コストが膨らみます。これにより、意思決定のスピードが落ちたり、頻繁な会議開催が難しくなったりする点も見逃せません。
また、対面会議を行うためには、物理的な空間の確保も必要です。会議室の数が限られている企業では、希望の時間に会議室を押さえられないこともしばしばあり、結果として会議の開始が遅れる、あるいは本来必要なメンバーが参加できないという事態も起こり得ます。
2. 話が脱線しやすい
対面会議のメリットの一つに「発言や議論がしやすい」とご紹介しましたが、そのためカジュアルなやり取りが生まれやすく、その分、会話が本題から逸れてしまうリスクが高まってしまうというデメリットがあります。これは対話の自由度や雰囲気の良さとも言えますが、時間が限られている会議においては大きな課題となることもあります。
特に、全員が同じ場所にいることで、雑談や余談が始まりやすく、いつの間にか会議の目的を見失ってしまうケースも少なくありません。また、上司や同僚との日常的なコミュニケーションがその場で再開されてしまい、話の流れが脱線してしまうケースもあります。こうした状況が続くと、会議が冗長化し、最終的には「結局何を決めたのか分からない」という不満や混乱を生む原因になってしまいます。
さらに、「誰かが話していると他の人が口を挟みにくい」「雑談の流れで声の大きい人の意見に引っ張られる」といった場面もあり、本来の議論の質を下げてしまうリスクも見逃せません。このような環境では、準備してきたアジェンダや進行計画が形骸化してしまい、会議の生産性が著しく下がることもあるので、対面会議の場合は、よりファシリテーターが重要になるということを認識するようにしましょう。
3. 記録や共有が難しい場合がある
対面会議では、議事録や要点の記録が参加者任せになってしまうことが多く、内容の共有や振り返りが不十分になるケースがあります。録音や文字起こしといった手段を用いるWeb会議と違い、対面では「誰かがしっかり記録を取っているだろう」という暗黙の了解により、記録そのものが曖昧になる傾向があります。
また、会話のスピードやニュアンスがその場限りで完結してしまうため、会議に参加していない人への情報伝達が不十分になりやすい点も課題です。対面会議では、非言語的な要素もコミュニケーションの一部として機能するため、その場にいなかった人が内容を正確に理解するのが難しくなる場合もあります。
さらに、記録係が一人だけで全体をカバーしようとすると、取りこぼしが発生するリスクも高まります。結果として、「あの時どういう話になったか」「誰がどのアクションを担当することになったのか」が曖昧になり、後でトラブルのもとになることも珍しくありません。
このような状態を防ぐために、対面会議でも音声を録音し、自動で文字起こししてその内容をAIでまとめてくれるAI議事録ツールの利用も検討してみましょう。AI議事録ツールについて知りたい方は、以下の記事で詳しくご紹介しているので、ぜひ参考にご覧ください。
Web会議の3つのメリット
では次にWeb会議の3つのメリットについてご紹介します。
1. どこからでも参加ができる
Web会議の最大のメリットは、インターネット環境さえあれば世界中どこからでも参加できる点です。出張中の社員や在宅勤務中のメンバー、さらには海外にいる関係者とも、物理的な移動なしに会議を実施できるため、地理的制約を一切受けることがありません。これにより、急な対応が必要な場面でもスピーディーに意思決定ができ、ビジネススピードの加速につながります。
また、遠隔地に拠点を持つ企業や、全国各地の顧客・パートナーとやりとりがある企業にとって、Web会議は日常業務の効率化に欠かせない手段です。たとえば、拠点間会議や定例報告会などをWebで行うことで、移動時間や交通費の削減にも直結し、コストパフォーマンスにも優れています。
さらに、災害時など、出社や外出が難しい状況下においても業務を止めることなく継続できる点は、企業のレジリエンス(事業継続力)向上にもつながります。柔軟な働き方を推進する企業にとっても、Web会議はリモートワークやハイブリッドワークを支える重要なツールとしてとても重要です。
2. すぐに開催できる
Web会議のもうひとつのメリットは、準備や手配の手間が少なく、思い立ったタイミングですぐに開催できるというスピード感です。対面会議の場合、会議室の予約や参加者の移動スケジュールの調整など、事前の段取りが必要になりますが、Web会議であれば会議URLを共有するだけですぐに会議を実施することができます。
このスピード感は、トラブル発生時や緊急の意思決定を要する場面において特に有効です。たとえば、顧客からの急なクレームに対応するために関係部署をすぐに集めたい、プロジェクトで問題が発生しすぐに打ち合わせが必要、といった場合でも、Web会議ならスムーズに対応することが可能です。
また、定例会議や進捗確認といった短時間の打ち合わせにも適しており、必要なときに必要なメンバーだけを集めることで、会議の生産性も高められます。特に、複数のプロジェクトが同時進行している現場や、アジャイル型の業務スタイルを導入している企業では、こうしたスピーディーな会議スタイルは非常に相性が良いといえます。
3. 情報を残しやすい
Web会議の最後の特徴の一つとして、情報を記録・共有しやすい点が挙げられます。多くのWeb会議ツールには、録画機能やチャット機能、画面共有機能が備わっており、会議中のやりとりをそのまま記録に残すことができます。これにより、「誰が何を言ったか」「どういった合意があったか」といった情報を正確に振り返ることができ、後の認識のズレやミスを防止できます。
録音・録画データを活用すれば、会議に参加できなかったとしても、録画や議事録を見れば内容を正確に把握できるため、組織としての情報伝達の精度が大きく向上します。
Web会議の3つのデメリット
では次にWeb会議の3つのデメリットについてご紹介します。
1. 発言がしづらい
Web会議では、対面会議よりも発言のタイミングを図るのが難しく、「発言がしづらい」というデメリットがあります。。対面での会話では、相手の呼吸や表情、ちょっとした間合いから「今話してよさそうだな」と感じ取ることができますが、Web会議ではこれらの非言語的な情報が伝わりにくく、発言のハードルが高くなります。特に、複数人が参加している会議では、誰かが話し終わるのを待っているうちに別の人が話し始めてしまい、結果として話す機会を逸することもあります。また、マイクのオン・オフ操作や音声の遅延も、発言をためらわせる要因です。
さらに、特に若手メンバーや新しくプロジェクトに加わったメンバーにとっては、「会議にどう関わっていいかわからない」「気軽に発言しづらい」といった心理的な壁も存在します。対面なら自然と雑談やアイスブレイクの中で声を出すチャンスがありますが、Web会議は目的本位で進行しがちで、雑談の余地が少ないことも、発言機会の偏りにつながっています。
2. ネット環境次第では音声が聞き取りづらい
Web会議はインターネット接続が前提となるため、ネット環境の良し悪しが会議の質に直結します。たとえば、回線が不安定な場合、音声が途切れたり遅延が発生したりすることで、相手の発言が正確に聞き取れないことがあります。このような音声トラブルは、一時的なものだったとしても会議の流れを止めてしまい、集中力を削ぐ原因になります。
また、参加者が複数いる場合、一部の人の音声が聞こえづらい状態であっても、「自分だけが聞こえづらいのでは」と思って質問や確認を遠慮してしまうケースもあります。結果として、重要な情報の聞き漏らしが発生し、後になって誤解や認識のズレにつながることもあります。
加えて、使用するマイクやスピーカーの品質、背景のノイズなども音声の明瞭さに影響します。対面のように「少し声を張る」「身振りで補足する」といった臨機応変な対応が難しいため、Web会議では音声のクリアさを保つための環境整備が重要になります。
3. 議論が深まりづらい
Web会議では、会話のキャッチボールにタイムラグが生じやすく、熱量のある議論が生まれにくいというデメリットがあります。対面会議であれば、相手の目を見て、身振り手振りを交えて話すことで、お互いの感情や意図がよりダイレクトに伝わります。これがWeb会議では画面越しになり、空気感や雰囲気を感じ取りにくくなるため、「反応が薄い」「共感が得られているのか分からない」といった感覚が生まれます。
特にクリエイティブなアイデア出しや戦略の議論など、感情や思考の流れを即興的に共有する必要がある場面では、Web会議だと発言のテンポや熱意が削がれ、発想が広がらないことがあります。チャットやホワイトボード機能を使って補完する工夫もありますが、リアルな場での「間」の共有や空気の読みにくさは、完全に解消するのが難しい部分です。
まとめ|メリット・デメリットを理解して会議を実施しよう
本記事では対面会議とWeb会議のメリット・デメリットについて改めて整理し、ご紹介しました。最終的に最終的にどちらの形式が優れているかは、会議の目的や参加者の状況によって異なります。大切なのは、どちらか一方を盲目的に選ぶのではなく、それぞれの特性を理解し、適材適所で使い分ける視点を持つことです。
たとえば、プロジェクトの初期フェーズで信頼関係を築きたいときや、重要な意思決定を伴うディスカッションを行いたいときには、対面会議が有効です。目の前でのやり取りだからこそ伝わる熱意やニュアンス、ちょっとした表情の変化など、対面ならではの情報が意思決定のスピードと質を高めるからです。また、場の空気を読みながら臨機応変に発言できることで、より創造的なアイデアも生まれやすくなります。
一方、Web会議は地理的な制約を受けず、短時間で開催できる柔軟性が魅力です。特に日程調整の難しいメンバーとの打ち合わせや、ちょっとした確認・報告の場では効率的です。また、録画やチャットログによる記録が残りやすいため、会議後の情報共有もスムーズです。こうした特性は、リモートワークや多拠点での業務が当たり前になってきた現在のビジネス環境に非常にマッチしています。
本記事でご紹介した内容を参考に、「何を達成したい会議なのか」という軸を明確にしながら、対面かWebかを選ぶようにしましょう。
- ミーティング中は話に集中したいため、メモが取れない
- ミーティング後に話をした内容をまとめるのに時間がかかっている
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