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議事録作成

労使協議会の議事録の書き方4ステップ|記載項目・保管・効率化のコツも解説

労使協議会の議事録は、労使双方の合意形成を残す大切な記録です。一方で、衛生委員会や団体交渉と扱いが混同されやすく、自社でどのように書き、どのように保管すべきかが曖昧になっているケースも少なくありません。

しかし、次のような悩みを抱えていないでしょうか。

  • 労使協議会の議事録に何を書けばよいのか、社内で基準がそろっていない
  • 衛生委員会や団体交渉の議事録ルールとの違いがわからず混乱している
  • 議論しながらメモを取るのが大変で、書記役が労使対話に集中できていない

この記事では、労使協議会の議事録に記載すべき項目、書き方の4ステップ、品質を高めるコツ、保管・周知のルール、そして作成業務を効率化する方法までを実務目線で解説します。

労使協議会では、労使双方の意見を正確に引き出し、合意形成につなげることが大切です。一方で、会議中にメモを取る担当者は議論を追いきれず、結果として労使どちらの主張も中途半端な記録になってしまうことがあります。記録の負担を下げることは、対話の質を上げることと表裏一体です。

労使協議会で、議論と記録の両方を成立させたいなら

「議論には加わりたいのに、書記役だから発言要旨を追うのに精一杯」。労使協議会の事務局でよく聞く声です。Otolioを使えば、会議中の会話をAIが自動で文字起こしし、合意事項や継続事項を含む要点も整理されます。書記役が議論に集中できるようになり、議事録の精度と労使対話の質を同時に引き上げることが可能です。

目次

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労使協議会の議事録とは|衛生委員会・団体交渉との違い

書き方の前に位置づけをそろえておくと、何を書き残すべきかが自然に見えてきます。

1. 労使協議会の基本|法的根拠と位置づけ

労使協議会とは、会社(使用者)と労働者(または労働組合)の代表が、労働条件・職場環境・経営方針などについて話し合う場のことです。労使協議制とも呼ばれ、団体交渉のように対立を前提とせず、相互理解を進めるための仕組みとして位置づけられることが一般的です。

一般的な労使協議会については、法律で一律に設置や議事録作成が義務づけられているわけではありません。労使間の合意に基づいて任意に設置・運用され、開催頻度や議題、議事録の作成・保管方法は、労働協約や社内規程によって会社ごとに定められます。

協議される議題は幅広く、賃金・労働時間といった労働条件から、福利厚生、職場の安全衛生、勤務態様の変更、さらには経営方針やビジョンに関わる内容まで多岐にわたるといわれています。法的義務がないからこそ、議事録の運用ルールを自社で設計しておくことが大切になります。

2. 衛生委員会の議事録との違い(混同しやすいポイント)

労使協議会の議事録を調べるときに最も混同しやすいのが、衛生委員会の議事録です。検索上位にも衛生委員会のルールが並ぶことが多く、そのまま当てはめてしまうと運用を誤る恐れがあります。

衛生委員会は、一定の業種・規模の事業場で設置が義務づけられる法定の会議体です。一般には、常時50人以上の労働者を使用する事業場が対象になります。議事録についても、労働安全衛生規則第23条によって、委員会の意見や議事の重要事項を記録し3年間保存することと、開催の都度労働者への周知を行なうことが法定義務として定められています。

一方の労使協議会は、一般に労使合意に基づいて設置・運用される任意設置の協議の場です。議事録の保管期間や周知方法に法律上の決まりはなく、社内規程や労使合意で定めることになります。両者を混同し、衛生委員会のルールを労使協議会に機械的に当てはめると、実態と合わない過剰な手続きを敷いてしまうことがあります。

衛生委員会の議事録について調べている方は、書き方や保管・周知の義務をまとめた解説記事もあります。

参考記事:衛生委員会の議事録の書き方4ステップ|記載すべき項目や保存・周知の義務も解説

3. 団体交渉の議事録との違い

労使協議会と並んで語られることが多いのが、団体交渉です。両者は似ているように見えますが、性質はかなり異なります。

団体交渉は、労働組合法によって労働者側に保障された権利であり、使用者には誠実交渉義務が課されます。賃金・労働時間・解雇など、労働条件に関わる事項が中心議題となり、合意内容が書面化され、労働組合法上の要件を満たす場合には、労働協約として効力を持ちます。

これに対し労使協議会は、合意を強制する仕組みではなく、対話を通じて相互理解を進めるための場です。議題の範囲は団体交渉より広く、経営方針や中長期の事業計画まで含まれることもあります。議事録についても、団体交渉のように法的効力に直結する記録としてではなく、労使双方の認識をそろえる「合意形成の経過記録」として捉えるのが基本姿勢です。

両者の違いを整理すると次のようになります。

観点労使協議会衛生委員会団体交渉
法的根拠なし(労使合意で任意設置)労働安全衛生法労働組合法
議事録の保管法定義務なし(社内規程で決める)3年間(法定義務)法定義務なし(運用上は推奨)
議事録の周知任意(労使合意で決める)全労働者への周知が法定義務任意
議題の範囲労働条件・福利厚生・経営方針など幅広い安全衛生・健康管理労働条件中心

労使協議会の議事録に記載すべき7つの項目

労使協議会には法定の様式がないため、これらを社内テンプレートとして固定化しておくと、担当者が変わっても同じ品質で議事録を残せます。

1. 開催日時・場所

開催日時と場所は、議事録の基本中の基本です。日付・開始時刻・終了時刻まで記録すると、後から「どれくらいの時間をかけて議論されたか」を振り返りやすくなります。場所は会議室名だけでなく、対面・オンライン・ハイブリッドの形式まで書き残すことをおすすめします。

2. 出席者(労使双方の氏名・役職)

出席者は、労働者側と使用者側に分けて、氏名と役職を記載します。労使協議会は労使双方の代表者で構成されるため、片方だけの記載では「協議の場」として成立したかどうかが事後に確認できません。

書記役・議長役を別途明記しておくと、議事進行や記録の責任の所在が明確になります。欠席者がいる場合は、欠席者の氏名と代理出席者の有無もあわせて記録します。

3. 議題(協議事項)

その回の労使協議会で取り上げた議題を、箇条書きで列挙します。事前に労使双方で確認した協議事項のリストをそのまま使うとよいでしょう。

議題ごとに「協議事項」「報告事項」「継続審議」などの区分を付けておくと、後から検索する際に役立ちます。たとえば、賃上げ協議のように複数回にわたる議題は「継続審議」として明示しておくと、次回以降の準備もスムーズです。

4. 発言要旨(労使双方の主張)

労使協議会の議事録で最も中心となるのが、発言要旨です。労働者側・使用者側それぞれの主張を、発言者名を添えて記録します。

逐語的に書き起こす必要はなく、要点を整理した要旨ベースで十分です。ただし、労使どちらかの主張だけが詳しく、もう一方が短く要約されているような偏りは避けたいところです。「労働者側はAを主張」「使用者側はBの理由でAを保留」のように、両論を並列で記すことが大切です。

たとえば、勤務態様の変更を協議する場面では、「労働者側:在宅勤務日数の拡大を希望、子育て世代への配慮を求める」「使用者側:チームの連携負荷を踏まえ、現行週2日を上限としたい意向。次回までに現場ヒアリング結果を持ち寄ることで合意」といった粒度が目安になります。

5. 合意事項・確認事項

その回の労使協議会で合意に至った事項、または労使双方で確認した内容を記録します。発言要旨と区別して別ブロックでまとめると、後から「何が決まったのか」がひと目でわかります。

合意事項には、内容だけでなく「いつから・誰が・どのように」運用するかも添えておくと、実行段階の認識ズレを防げます。

6. 継続協議・保留事項

その回で結論が出ず、次回以降に持ち越した議題は「継続協議」として明示します。保留に至った理由(追加情報が必要、現場ヒアリングが必要、関連部署との調整が必要など)まで記録しておくと、次回までの準備項目が明確になります。

継続協議の項目が増えすぎる場合は、議題の優先順位を労使双方で再確認する機会と捉えるとよいでしょう。

7. 次回開催予定・配布範囲

次回の開催予定日と、議事録の配布範囲を最後に明記します。配布範囲は、労使双方の代表者だけでなく、社内のどこまで共有するかを労使合意のうえで決めておくことが大切です。

労使協議会は、その内容が組合員・従業員全体に関わるテーマも多いため、配布範囲を曖昧にすると「聞いていない」「先に共有してほしかった」というトラブルにつながります。

労使協議会の議事録の書き方4ステップ

労使双方が納得する議事録に仕上げるためには、当日の記録だけでなく、事前準備と事後確認のプロセスが欠かせません。

1. 事前準備|議題と前回議事録の確認

議事録の質は、開催前にどれだけ準備できているかでほぼ決まります。書記役は遅くとも開催前日までに、以下を確認しておきます。

第一に、当日の議題と協議事項のリストです。労使双方の事務局で擦り合わせた最新版を入手し、議題ごとに想定される論点をメモしておくと、当日の聞き取りが楽になります。

第二に、前回の議事録です。継続協議の議題があれば、前回どこまで議論が進んだかを把握しておくと、要旨を取りこぼしません。第三に、テンプレートの準備です。記載項目7つを反映したフォーマットを開き、開催日時・出席者・議題までは事前に埋めておきましょう。

議事録の基本的な書き方は、議事録全般のノウハウを整理した記事も参考になります。

参考記事:議事録の書き方|会議別テンプレートとNG/OK例・8つのコツを解説

2. 当日記録|要旨ベースで労使双方の発言を残す

当日は、発言要旨を中心に記録します。逐語的に書き起こそうとすると議論のテンポについていけず、結局どちらの主張も中途半端になりがちです。

発言ごとに「誰が・どんな立場で・何を主張したか」の3点を押さえれば十分です。労使双方の発言が連続する場合は、表形式や2カラム形式でメモしておくと整理しやすくなります。

また、合意事項・継続協議の候補となる発言が出たら、その場で別欄にメモしておく習慣をつけると、事後整理が楽になります。発言の細部より、合意形成のターニングポイントを見逃さないことのほうが大切です。

3. 事後整理|労使双方による内容確認

当日のメモを整理して議事録の素案ができたら、必ず労使双方で内容を確認します。これは労使協議会の議事録に固有の重要なステップです。

確認のポイントは、発言の趣旨が正しく反映されているか、合意事項と継続協議の区別が明確か、どちらかの主張が偏って強調されていないか、の3点です。労使どちらか一方だけが確定させた議事録は、後から「言っていない」「ニュアンスが違う」と争いの種になります。

確認の進め方は、書記役が素案を労使双方の代表者に同時に共有し、修正コメントを集約するのが一般的です。修正のやり取りは記録に残しておくと、後から「なぜこの表現に落ち着いたか」を遡れます。

4. 確定・保管|双方合意のうえで正式版として保管

労使双方の確認が終わったら、修正を反映した正式版を確定し、社内規程に従って保管します。確定時には、確定日・確定者(労使双方の責任者)を議事録のフッターに明記しておくと、文書としての信頼性が高まります。

確定済みの議事録は、配布範囲に従って共有します。共有方法はメール添付・社内イントラ掲載・印刷配布など複数ありますが、いずれにせよ「どこから誰がアクセスできるか」を明確にしておくことが大切です。

議事録の質を高める5つのコツ

記載項目を埋めるだけでは「読まれない議事録」になりがちです。読まれて使われる議事録にするには、書き手の意識的な工夫が欠かせません。

1. 専門用語は避け、誰が読んでもわかる表現にする

労使協議会の議事録は、現場の組合員・従業員に共有されることもあります。人事・労務の専門用語や社内略語をそのまま使うと、配布された側に内容が伝わりません。

たとえば「裁量労働制」を初めて議事録で目にする読者もいる前提で、初出時には短い補足を添えると親切です。専門用語を多用しないと議事録の重みが落ちるわけではありません。むしろ、誰が読んでも理解できる表現のほうが、合意形成の証跡として機能します。

2. 個人意見と「協議会としての合意」を明確に区別する

労使協議会では、個別の発言と、協議会として合意した事項を厳密に区別する必要があります。両者が混ざった議事録は、後から「あれは個人の意見だったのか、合意だったのか」が読み取れず、トラブルの原因になります。

区別を明確にする最もシンプルな方法は、発言要旨と合意事項を別セクションに分けることです。発言要旨欄では「○○委員より〜との発言」、合意事項欄では「労使協議会として〜と合意」と書き分けると、誰が読んでも誤解しません。

3. 中立的な表現で労使どちらかに偏らせない

書記役が労使どちらかの所属である場合、無意識のうちに自分側の主張を詳しく書き、相手側を簡潔に済ませてしまう傾向があります。とくに書記役が労働側の事務局を兼ねるケースでは、本人に偏らせる意図がなくても、自分が当事者として理解している論点ほど筆が乗りやすくなる傾向があります。だからこそ、素案の段階で労使双方が内容を確認するプロセスが、中立性を担保する実務的な歯止めになります。

これを防ぐには、発言要旨の文字数・粒度を労使でそろえる意識が大切です。書記役が片側の所属である場合は、もう一方の代表者にも事後確認で「自分側の主張が適切に書かれているか」を必ずチェックしてもらう運用を徹底しましょう。

中立的な書き方の典型例は、「労使双方が〜について議論し、〜の認識を共有した」「労働者側は〜を主張、使用者側は〜の立場を示した」のような並列構文です。

4. 個人情報・センシティブ情報の扱いを事前に決めておく

労使協議会では、個別の労働者の事例(特定の部署の離職率、特定従業員の処遇など)が議題に上がることがあります。これらを議事録にそのまま記載すると、個人情報保護の観点でリスクが生じます。

事前に「議事録に個人名・特定可能な情報をどこまで載せるか」を労使双方で合意しておきましょう。原則としては、個人を特定できる情報は匿名化し、必要に応じて別添の参考資料として限定配布する運用が安全です。

5. テンプレートを固定化して属人化を防ぐ

議事録のフォーマットが書記役ごとにバラバラだと、過去議事録を遡って参照するときに「どこに何が書いてあるか」を毎回探すことになります。これは時間のロスだけでなく、合意事項の抜け漏れを生む原因にもなります。

7つの記載項目を反映したテンプレートを1つ用意し、すべての回で同じ構造に揃えましょう。テンプレートには、見出し・記入例・注意書きを入れておくと、新任の書記役でもすぐに同じ品質で書けるようになります。

議事録フォーマットの基本的な設計については、別記事でも詳しく整理しています。

参考記事:議事録フォーマットの基本|会議別の書き方・必要項目・効率化のコツを解説

議事録の保管・周知のルールづくり

法定義務がない領域だからこそ、自社のルールを明文化しておくことが、長期的な労使関係の安定につながります。

1. 保管期間の目安と社内規程への明文化

労使協議会の議事録に法定の保管期間はありません。とはいえ、過去の合意事項を遡れない状態は、労使双方にとって不利益です。実務上は、衛生委員会の議事録の3年間や、労働者名簿など労働基準法上の主要書類の保管期間(同法第109条で原則5年・当分の間3年)を参考に、3〜5年を最低ラインとする運用が多く見られます。

労使協議会で議論された内容には、人事制度の変更や福利厚生の導入など、影響が長期にわたるテーマも含まれます。経営判断の根拠を遡って参照する場面を想定すると、5年以上の保管が望ましいケースもあります。

いずれにせよ、保管期間は社内規程に明文化し、労使合意のうえで運用することが大切です。

2. 紙・電子の保管方法とアクセス権限

議事録の保管形式は、社内規程や労使合意に沿って、紙・電子のいずれかで運用できます。近年は電子保管が主流で、社内ファイルサーバーや文書管理システムに格納するケースが増えています。電子保管にする場合は、改ざんを防ぐためのアクセス制限と版管理が必須です。

アクセス権限は「閲覧」「編集」「削除」の3段階で設計し、編集権限を持つのは事務局メンバーに限定するのが基本です。閲覧範囲は、配布範囲のルールと整合させましょう。

機密性が高い議題(経営戦略・人件費の詳細など)を含む議事録は、別のアクセス権限グループを設けるか、議事録本体には記載せず別添参考資料に分けるなどの工夫が必要です。

3. 配布範囲と周知方法(労使双方への配布が原則)

労使協議会の議事録は、労使双方の代表者に配布することが大前提です。そのうえで、組合員・従業員全体への周知をどこまで行なうかは、議題のテーマと社内規程によって判断します。

周知方法は、社内イントラへの掲載、組合機関紙への掲載、説明会の開催など複数あります。重要な合意事項については、配布だけでなく説明会で口頭補足を行なうほうが、組合員・従業員の理解が深まります。

議事録の共有方法を整理する際は、共有のポイントをまとめた別記事も参考にしてみてください。

参考記事:【例文あり】議事録を共有するときの3つのポイント!効率化するAI議事録ツールも紹介

労使協議会の議事録作成を効率化する方法

形骸化を防ぐには、議事録運用を無理なく続けられる体制を整えることが大切です。そのためには、作成負荷を下げる工夫が欠かせません。

1. テンプレートの整備|記載項目の標準化

最初に着手すべきは、テンプレートの整備です。記載項目7つを反映したフォーマットを1つ作り、書記役は毎回そのファイルをコピーして使う運用にします。

テンプレートには、見出し・記入欄・記入例・前回からの引き継ぎ欄を組み込みます。前回からの引き継ぎ欄を設けておくと、継続協議の議題を漏らさず引き継ぎできます。フォーマットの改善は半年〜年1回ペースで労使双方で見直すと、運用に合った形に洗練されていきます。

2. AIによる文字起こし・要約の活用|当日メモの負担を減らす

当日の記録負担を一気に下げる手段が、AIによる文字起こし・要約の活用です。AI議事録ツールやAIエージェントを活用すれば、会議音声の文字起こしや要約を効率化でき、発言要旨や合意事項の候補を整理してくれるため、書記役は議論の流れに集中できます。

労使協議会では、書記役自身が労使双方の所属である場合も多く、議論への参加と記録の両立が長年の課題でした。AIエージェントを導入することで、書記役が自分の所属側として議論に加わりつつ、客観的な発言要旨を残せる体制を整えやすくなります。

たとえば、Otolioのような会議業務全体を自動化するAIエージェントを使えば、カレンダーに登録した労使協議会の予定に従って自動で録音・文字起こしが始まり、終了後にはAIが内容を要約・整理した形で議事録の素案が用意されます。書記役は、その素案を読み返しながら労使双方の発言要旨を整え、確認プロセスに進めるという流れです。

ただし、AIが出力した素案をそのまま正式版にするのは適切ではありません。労使協議会の議事録は、労使双方の確認を経て確定することに意味があります。AIは下書きを速く高い精度で用意するための道具と位置づけ、最終的な記録の質は人が担保する姿勢を保ちましょう。

3. 検索性の確保|過去議事録を資産化する

3つ目は、過去議事録の検索性を確保することです。せっかく丁寧に残した議事録も、必要なときにすぐ呼び出せなければ、組織の記憶として活用されません。

検索性を高める基本は、ファイル名と保存場所のルール統一です。「YYYYMMDD_労使協議会議事録_確定版.docx」のような命名規則を決め、保存先フォルダも年度別に整理しておきます。

加えて、AIによる議事録管理ツールを使えば、過去の議事録から「賃上げ」「在宅勤務」などキーワードで一括検索できる環境も実現可能です。「前回賃上げの議論で何が決まったか」を即座に呼び出せる状態は、継続的な労使対話の質を確実に押し上げます。

機密性が高い労使協議会では、AIによる管理ツールを選ぶ際にセキュリティ要件も大切です。AIに学習させない仕組みや、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証の取得状況など、運営会社のセキュリティ体制を確認したうえで導入を判断しましょう。

まとめ|労使協議会の議事録を組織の合意形成資産に

本記事では、労使協議会の議事録について、衛生委員会・団体交渉との違い、記載すべき7つの項目、書き方の4ステップ、品質を高める5つのコツ、保管・周知のルールづくり、そして作成業務の効率化方法を解説しました。

労使協議会の議事録は、法定義務がない領域だからこそ、自社で運用設計を考える必要があります。記載項目を標準化し、書き方の手順を固定化し、保管・周知のルールを明文化することで、議事録は「形だけ残す書類」から「組織の合意形成を支える資産」へと変わります。

そして、議事録運用を長く続けるための鍵は、書記役の負担を下げることです。テンプレートの整備とAIの活用で、書記役は議論に集中できる環境を手に入れ、議事録の質と労使対話の質を、同時に高めやすくなります。

労使協議会の議事録は、すぐに完璧な運用にする必要はありません。まずは記載項目とテンプレートを揃え、AIによる文字起こしで当日記録の負担を下げる。この小さな一歩を続けていくことが、形骸化を防ぐ最大の打ち手になります。一度に大きく変えるより、実務に組み込みながら少しずつ整えていくほうが、労使双方にとって無理がありません。

労使協議会の議事録づくりを、まず実務で軽くする

労使協議会の議事録運用を続ける一番の壁は、毎回の作成負荷です。書記役の負担が大きいまま続けると、議論への参加が疎かになり、記録の質も少しずつ落ちていきます。Otolioを実際の労使協議会で14日間試せば、自動文字起こしから要約整理まで、運用負荷がどれだけ下がるかを自社の会議で確認できます。

この記事を書いた人
エピックベース株式会社|マーケティング部|青木喬平

2023年にエピックベースに入社し、累計利用社数8,000以上「Otolio」のマーケティングを担当。 本ブログでは、議事録・文字起こし・生成AI・AIエージェントに関するノウハウや、企業が業務効率化の実現・DXの推進に必要な情報を現場のリアルな視点からお届けしています。 ※ 本ブログはOtolio運営元であるエピックベース株式会社の社員が執筆・編集しています。

よくある質問とその回答

Q. 労使協議会の議事録に法定の様式はありますか?

ありません。労使協議会自体が法的根拠を持たない任意設置の場のため、議事録の様式や記載項目、保管期間、周知方法に法律上の決まりはありません。本記事で紹介した記載項目7つを参考に、自社の労働協約・社内規程で運用ルールを定めることをおすすめします。

Q. 労使協議会の議事録と団体交渉の議事録は同じ様式でよいですか?

性質が異なるため、別の様式で運用するほうが望ましいといえます。団体交渉は労働組合法に基づく法的な交渉で、合意内容が労働協約として効力を持つ場です。一方の労使協議会は、合意を強制しない対話の場です。記載項目は重複する部分が多いものの、団体交渉の議事録は法的効力に関わる証跡として、より厳密な発言記録と労使双方の署名・確認プロセスを設計するケースが多く見られます。

Q. 議事録の保管期間はどれくらいが適切ですか?

法定義務はないため、自社で定めて差し支えありません。実務上は、衛生委員会の議事録の3年間や、労働者名簿など労働基準法上の主要書類の保管期間を参考に、3〜5年を最低ラインとする運用が多く見られます。人事制度や福利厚生など影響が長期にわたるテーマを扱う場合は、5年以上の保管が望ましいケースもあります。社内規程で保管期間を明文化し、労使合意のうえで運用しましょう。

Q. AIで作成した議事録の素案は、そのまま正式版にしてよいですか?

そのまま正式版にすることはおすすめしません。AIによる文字起こし・要約は下書きを速く高い精度で用意するための道具です。労使協議会の議事録は、労使双方が内容を確認し、合意のうえで確定することに意味があります。AIが出力した素案を労使双方が読み返し、発言要旨や合意事項の表現をすり合わせるプロセスを必ず通すことで、議事録の正当性を担保できます。

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